結果5 |
共有度に最も強い影響を与えるのは妻の就労状況
育児共有度には夫の就労時間も関係 |
ここまでは、「妻の就労形態」や「夫の収入」などの条件ごとに、家事共有度・育児共有度との関係を見てきました。最後に家事共有度・育児共有度にはどの条件が影響を与えているのか、どの条件の影響が大きいのかを総合的に見てみましょう。
まず、これまでの結果をまとめると
関係が見られたもの |
妻の就労形態を通じて
影響すると考えられるもの |
関係が見られないもの |
妻の就労形態
妻の収入
夫と妻の収入格差
妻の就労時間
夫の就労時間(育児共有度のみ)
妻の性別役割規範
(家事共有度のみ)
妻と夫の年齢差 |
妻の職場規模
夫の性別役割規範
結婚前の話し合い
(育児共有度のみ)
妻の学歴(家事共有度のみ)
子どもの有無 |
夫の収入
夫の職場規模
妻の要求
夫の学歴
妻の年齢・夫の年齢
子どもの人数
一番下の子の年齢
(家事共有度のみ)
生家の家事担当者 |
関係が見られたもののうち、妻の就労形態、妻の収入、夫と妻の収入格差、妻の就労時間の4要因は、お互いの回答傾向がよく似ています(r > 0.5)。妻が常勤であれば収入が高く、夫婦の収入格差は少なく、就労時間は長いことが多く、妻がパート等であると妻の収入は少なく、収入格差は開きがちで、就労時間は短いことが多い、ということです。これらの項目は就労状況、いわば「妻の働きぶり」という一つのことを様々な側面からあらわしていると考えられ、一つの変数と見なすことができます。
そこで、以下の要因の相互関係を重回帰分析で調べてみました。
関係が見られたもの |
妻の就労形態を通じて 影響すると考えられるもの |
関係は見られなかったが、 確認のため加えるもの |
妻の収入に代表される妻の就労状況 夫の就労時間
妻の性別役割規範 妻と夫の年齢差 子どもの有無 |
夫の性別役割規範 結婚前の話し合い 妻の学歴 |
夫の収入 夫の学歴 妻の年齢 夫の年齢 |
注)妻の職場規模は妻の収入と相関係数が高いため、加えられませんでした。
結果は次の通りです。
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