§2 男は忙しいから家事できない?? −男性の家事・育児を考える−
セマってみました 家庭の実状〈アンケート調査より〉
 3 調査結果  4.男性の家事・育児を左右するものは?

 ◆ ◆ ◆ 分析結果の見方 ◆ ◆ ◆

「家事分担度」・「育児分担度」とは

 男性が家事・育児を分担できないのは、なぜだろうか。どのような男性が家事・育児 の分担をおこなっているのだろうか。それらの問題を確かめるために、本調査では夫の 家事・育児の分担状況をあらわす得点として、「家事分担度」「育児分担度」という 尺度を使用することにした。各尺度の算出方法は、次のとおりである。

 アンケート中の家事分担状況を問う「問3」への回答に対して、「ほとんど妻」0点、 「妻が主で夫が従」10点、「妻と夫で同程度」20点、「夫が主で妻が従」30点、 「ほとんど夫」40点と得点を配分し、その平均点を各回答者家庭の「家事分担度」と した。
 「家事分担度」が0点なら、夫はほとんど家事をしていないことを表す。「家事分担 度」が20点なら、夫と妻はほぼ等分に家事を分担していることを表す。「家事分担度」 が20点を超えると、妻より夫の方が多く家事をしていることになるが、本調査ではこ のようなケースはごくまれにしか存在しなかった。同じく、育児分担状況を問う「問4」への回答より、「育児分担度」を算出した。

 以下の章では、棒グラフにより家事分担度・育児分担度に統計的な差が認められるかどうかを表している。棒グラフの棒が長いほど、男性の分担度が高いと捉えてよい。

*マークの意味

 各グラフには、「家事(*)」、「育児(**)」という表示がついている。この*マークは、その条件によって男性の家事分担度・育児分担度に差が認められるかどうかを表している。マークは3つが最高となっており、数が多いほど差が明確なことを示している。 (-)は、差が統計的に認 められなかったという意味である。

 たとえば、「妻の帰宅時間」という条件について「家事(*) 育児(***)」となっていれば、「妻の帰宅時間が早いか遅いかによって、夫が育児に参加するかどうかにはっきりとした差が認められる。家事への参加に関しては、差があるとおよそ認められる」という意味と捉えて良い。

 統計的な意味は、次のとおりである。(T検定による)

             *:P<0.05 **:P<0.01 ***:P<0.001

r = の意味

 一部のグラフには、*マークの後ろに、「r= 」という表示がある。この数字はそ の条件と家事分担度・育児分担度との関係の強さを表しており、数字は−1〜+1の値 をとり、0から離れるほど、関係が強いことを示している。

 rの値は、ピアソンの相関係数である。相関係数が求められない分析項目については「r= 」の表示はなされていない。


前へ 目次に戻る 次へ