§2 男は忙しいから家事できない?? −男性の家事・育児を考える−
セマってみました 家庭の実状〈アンケート調査より〉
 3 調査結果  3. 家事・育児に対する意識

1. 現在の家事・育児分担状況をどう思っているか──男性のほとんどは「今のままでよい」

 現在の家事・育児分担に対する女性の意識は、「本当はもっと配偶者にやってもらいたい」と「今のままでよい」にほぼ2分された。一方、男性は約23.7%が「本当はもっと自分がやるようにしたい」と考えているが、70.1%は、「今のままでよい」と、特に問題意識を持っていないことがわかる。
 「もっと自分がやりたい」という夫になぜできないかを質問したところ、「時間がないから」という答えが過半数であった。一方「もっと夫にやって欲しい」と思っている妻の方は「夫が自発的にしようとしない(やる気がない)」と答えている人が多かった。
 「やる気がない」を除いた項目の比率を見ると、時間不足が約5割、家事能力不足が約2割程度を占め、妻の観測と夫の言い分の間にはほぼ整合性が見られる。従って、「家事をしない男性」は、「はじめからやる気がない人」と、「やる気はあるが、時間不足等でできていない人」に、大きく分かれることがわかった。

 Q.あなたの家庭の家事・育児分担状況について、あなたはどう思っていますか。(問6)

グラフ:あなたの家庭の家事・育児分担状況について、あなたはどう思っていますか


 Q.本当はもっと夫にやってもらいたい妻と、本当はもっとやりたい夫への質問
   今そうできない理由はなんでしょうか。(問6)


グラフ:本当はもっと夫にやってもらいたい妻と、本当はもっとやりたい夫への質問;今そうできない理由は


2.家事・育児についての意識──男女の意識ギャップはあるものの…

 総じて男性の方が、「家事イコール女性の愛情バロメータ−」という捉え方をする人が多く、女性の就労についても「家庭のことを十分にやった上でのこと」と条件付けをする人が多い点が、女性と異なっている。男性の家事参加については、男性の18.2%が「妻が専業主婦なら、する必要はない」と考えており、15.0%が「妻が働いていてもしなくてよい」と考えている。保育所等における乳幼児保育に対する抵抗感も男性の方が強く、いわゆる「3歳児神話」を信じている様子がうかがえる。
 しかし、男性の70.1%が「家事・育児は単純作業ではない」と答え、38.4%が「家事・育児をすることで、自分自身の生活が豊かになると思う」と、家事・育児に対して一定の評価をしている点は注目すべきである。
 子育てに関しては、男女間に差がみられず、60%以上の人が「子育てには父親も母親と同じだけかかわることが必要だ」と考えている。しかし、「家事・育児分担の実態」の項で明らかなように、実際の子育てに関しては、ほとんどが女性まかせになっているのが実態である。このあたりの意識と実態のずれが男女双方の中でジレンマとして存在していると考えられる。「父親ももっと子供にかかわらなくては」という思いが、現状を改革するエネルギーのひとつになっていく可能性も考えられる。   

 Q.次の考え方について、あなたはどう思いますか。(問1)

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