§2 男は忙しいから家事できない?? −男性の家事・育児を考える−
セマってみました 家庭の実状〈アンケート調査より〉
 1 調査概要

1. 調査目的

 現在の日本では、家庭責任(具体的には、家事・育児・介護等)のほとんどは女性によって担われている。そのことが女性の社会進出を遅らせる一因となり、働く女性の「仕事も、家事も、育児も」という大変な状況を作る原因となっている。また、男性から生活者としての能力や育児の楽しさを奪い、男性の働きすぎを助長し、過労死にまで追いやる遠因ともなっている。
 私たちは、この状況を変えるには、家事・育児・介護等に対する社会的援助の充実が必要であると同時に、男性も共に家庭責任を担っていくことが最重要であると考えた。ではなぜ男性は、家庭責任を担えていないのだろうか? たとえば次のようなことが言われている。

  ・男性は仕事で帰りが遅いから
  ・男性は職業労働時間が長くて、疲れているから
  ・男は仕事、女は家庭だと考えているから
  ・男性は経済的責任を担っているから

 しかし、このような理由は本当なのだろうか? たとえば、帰宅時間が早くなれば、男性は皆十分に家事・育児に参加できるようになるのだろうか?
 また、日本女性は家事・育児を受け持っている代わりに、家庭内では強大な実権を持っていると言われることもあるが、これは本当なのだろうか? 家庭内の様々なことを決めていく過程や、自分自身の行動を決める過程で、女性は十分な決定権を持っているのだろうか?
 これらのことを確かめるために、私たちは「家庭責任の意識と実態に関する調査」というアンケート調査を行った。

2. 調査対象者

 福岡市内に住む30〜49歳の既婚者。住民基本台帳より無作為抽出。
  女性  800名 (回収 352名)
  男性 1600名 (回収 401名)
  合計 2400名 (回収 753名)  回収率 31.3%
 

3. 調査方法

 往復郵送法

4. 調査期間

 1995年9月4日 〜 9月30日

5. 調査実施主体

 グループ「ウイズリブの会」/(財)福岡市女性協会・アミカス


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