会場(男性) |
さしつかえない範囲で、皆さんと配偶者の方の年代を教えて下さい。それと男性の方は、先ほど話がでましたトイレ掃除をしているかどうか、おきかせ下さい。 |
パネリスト |
井口:夫が40代、私が30代です。
植竹:自分は33才、妻は30代です。掃除はそもそもあまりしない家ですが、トイレ掃除は妻がしているようです。
田中:基本的に掃除は自分が担当で、妻は「汚い」と文句を言うばかりでやりません。でも、トイレ掃除はやってるようです。
古川:夫婦ともに40代です。
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会場(女性) |
こういう問題に関しては、その人が育ってきた環境からの影響が大きいと思います。私の友人で共働き家庭で育った女性に「女も仕事を持って自立し
なければダメなのよ!」と肩に力の入った子がいます。
そういう肩に力の入った子に「専業主婦も幸せの一つの形」と思わせるにはどうしたらよいでしょう。 |
古川 |
共働きの親を持つ子供にヒアリングをした本(私たちはこうして大きくなったユック舎)を読むと、親の行き方を肯定的に見ている子が多いのですが、否定的な
子もいます。やはり人は一人一人違うので「こうだからこうなる」と一概には言えないと思います。
ただ、何かを「頑な」に主張する人を見ると、どうしても守らなくてはいけない何か、それを崩されたらその人がすごく困ってしまう何かがあるのだなぁ、と私は思ってしまいます。
「女も自立しろ」であろうが「女は家にいろ」であろうが、それは同じです。そういうのって、無理に崩すとどこか他が崩れそうで、あまり無理はしないほうがいいような気がします。
どっちが正しいかで理論闘争するのもアリでしょうが、理論で納得がいったり、決着がつく場合ばかりではないのではないでしょうか。
結局のところ「あなたはそう思うのね。でも私は違う風に思うの。あなたが私のように思わなければならないことはないけど、私があなたのように思わないといけないわけ
でもないでしょ?」と認め合うということで共存をはかるしかないのかなと思っています。
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植竹 |
「○○であるべき」ということを特に自分は思わないのですが…。自分が家事・育児をするようになったのも、「たまたま」という感じですので。
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会場(男性) |
育児休業を取った男性に伺いたいのですが、育休を取ることについて、上司や同僚の反応はいかがでしたか? |
田中 |
こちらが拍子抜けするくらい、受け入れてくれました。職場で初の取得者ではなかったせいかもしれません。
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植竹 |
自分の場合も反対意見は出ませんでした。当時の上司はほぼ同年代の人でした。その上の人から何か話はでたかもしれませんが、自分に直接には言われませんでした。
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井口 |
会場内に何人か男性がいらっしゃいますが、育児休業を取得した方で、ここでお話し下さる方はいらっしゃいませんか?
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会場(男性) |
自分は病院勤務でしたが、反対とかはありませんでした。その前に子連れの通所までしてしまっていたので、もう何でもアリって感じでした。
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井口 |
では、夫の場合を少しお話しします。 夫は育児休業は取りませんでしたが、「育児のために会社を辞めた」と言っております。夫の元の会社は良くも悪しく
も保守的・家族的なところで、男は家族のために全力を会社に捧げて働くのが当たり前でした。とても育児休業だの育児時間だのを言い出せる雰囲気ではありま
せんでした。かといって、2人でフルタイムで勤め続けるのは無理な状況でしたので、どちらかが転職するしかなく、うちの場合、夫が転職しました。まだまだ
このような例もあるということで。
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会場(女性) |
育休を取得中は、仕事は全くしなかったのでしょうか。 また、育休取得後、何かプラスの影響はありましたでしょうか。
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田中 |
職場内のメールくらい読んだ気もしますが、何もしませんでした。ただ、全く気にしていなかったわけではなく、ちゃんと復帰できるのか、不安でした。
育休を取ったのは、会社・仕事の意味を見つめ直すきっかけになりました。サラリーマンが長くなると「会社に行くのが当たり前」になってしまい、それにつ
いて改めて考えることがなくなっていました。「会社以外の生活がある」ことにも気づきました。
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植竹 |
自分も、基本的に仕事はしていませんでした。ただ、会社で週1回やっている英語教室は料金を払ってしまっていたので、これには行っていました。
プラスの影響といえば、生産性が高まったことでしょうか。
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田中 |
仕事と家庭の両立をしてゆこうとすると、マネージメント能力がすごく必要になります。それぞれにすべきことがあり、予定があり、それをすりあわせてゆかなければなりません。どちらかだけの人は楽だなぁ、と思います。
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会場(女性) |
夫の家事・育児参加に最も影響するのは妻がフルタイムで働いているかどうか、というお話がありました。
今自分は共働き夫婦へのインタビューをやっていますが、家事をやらない夫は全然やらないし、妻はそれをあまり不満に思っていないようです。いろいろ話をきいてみて、
ポイントは「話し合いをどれくらいしているか」のようですが、そもそも話し合いまで行き着かない夫婦もいるようです。
井口さんの夫さんは話し合いがきかない人だということでしたが、どのようにやっているのですか。
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井口 |
はい、議論すればもれなく負けますので、議論でない話し方を心がけています。
「それじゃいやなの」とか「それじゃ困る」とか。また、事実を持って語らしめ、どうにもならない状況にしてしまうとか。
家事分担とは高邁な理論や理想で動くものではなく、生活そのものです。落としどころを2人で探ってゆくのでしょう。例えばうちでは、夫は「司令塔は1人
でいい。あなたが司令塔で自分は手足」と言います。私はもっと自分のモノとしてやって欲しいので、それには不満なのですが、この点について議論しても負けますので、
もはやこの点については放置しています。むしろ「何故司令塔の頼んだことをやり忘れるのか」を問題とし、現実をスムースにしようとしています。
夫と議論したり、ケンカするのは、正直面倒くさいです。個々のことは、ケンカするより自分がやった方が簡単だし、手間がかからないことが多いです。でも、
そうしていたら一事が万事になって、雪崩を打って自分に負担がかかるのが目に見えるようです。あくまで2人で家事を共有したいので、面倒ですが、ケンカす
る手間をとるようにしています。もちろん、それが面倒で、ケンカをしないで自分が家事を引き受ける方もいると思います。
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植竹 |
ふだんの家事は、お互いがやることがだいたい決まっており、できない場合、できなかった場合は、メールや携帯で連絡するようにしています。例えば,夕食
のごはんが炊けない場合は、連絡して、準備してあるバックアップ手段を利用します。
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田中 |
どういうレベルでの話し合いかによりますが、
・炊飯器のスイッチを入れ忘れたので買ってきて
とか
・今日は急に残業になったので保育園のお迎え行って、
とか
・子どもの具合が悪くて呼び出された。
今日は自分が今から迎えにいくけど、明日はあなた休んでね、
とか、そういう連絡はひんぱんにやってます。連絡手段はたいてい携帯電話です。
もっと大きな話になると話し合いというよりケンカに近いことも多いですが、そういう形の話し合いでもやった方がいいんでしょうね。
結局、お互い、自分の家事能力を過大評価しているのかもしれません。あまりケンカばかりしてても疲れますので、
「ああ、分かった、やっとく」と答えることも多いですが、結果に対する評価でまたもめたり。。(^^;
求めるレベルに差があるのがいけないようです。
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古川 |
井口さんと違い、うちの場合「議論」では私が勝ちます。でも、議論に勝てばいいかというとそうではない。雰囲気が暗〜くなるとか、機嫌を悪くするとか、
そういうのだと勝ったか負けたか以前に嫌な感じですね。
最近「鉄は熱いうちに打て」作戦というのを考えていまして、子どもが産まれて、夫も妻も初めてでどうして良いやらおろおろしているところで、とにかく
父親にアカンボを触らせるのが有効だとおもってます。
私は子どもが小さい頃、よくことあるごとに「ちょっと抱っこしてて」と夫に赤ん坊を抱っこさせてました。また、自分でも風呂に入れられるのですが、
「やっぱり男の人の大きな手で入れてもらう方がいいみたい」と夫にやらせて、「あ〜、気持ちいいね。やっぱりお父さんのお風呂はいいね〜」とのせておりま
した。
子どもは実際に抱っこしてみれば可愛いし、ともかく肌のふれあいで感じるところが大きいです。
でも、甘く誉めるだけでなく、夜泣きが大変な時期夫が「寝室を分けようか」と言い出したときは「それなら離婚する」と強くでました。譲れない時は強く出ることも必要だとおもいます。
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井口 |
丁度時間となりました。本日はお集まりいただき、ありがとうございました。
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