ワークショップ(No.93):「男は忙しいから家事できない??再び!」
【第一部】 「家事する男に大変身:九州男児攻略法」 パネリスト:古川玲子 |
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古川です。コンピュータ会社でSEをしております。 私の夫は九州男児です。九州男児と言えば男尊女卑、いまや死語になったと思われているこの言葉、九州地方ではまだ日常用語として生息しています。私は九州に転勤した時、職場の若い男性から、 で、そのように男尊女卑らしき夫との家事共有についてですが、幸いな事に夫は「腰が軽い」という特質をもっていました。これはもう誰に教育されてどうという問題ではなく、どうやら生得的に腰が軽く生まれついているらしい。 一人暮らしをしていた事もあり、掃除・洗濯は問題なかったのですが、「料理」は結婚当初インスタントラーメンと目玉焼きぐらいしかできませんでした。 相手は九州男児ですから、「男女平等よ」「共同参画社会よ」なんて言ってみても「うるせえ」ってなもんです。 まず始めたのは「豆のさやむき」です。夕飯の支度中、夫がテレビでナイターなんか見ているところへ豆をガサッと持っていって「テレビ見ながらでいいから、さやから豆を出してこのボールにいれて」と頼みます。豆のさやむきは手仕事としては楽だし楽しいですから手を動かしてくれます。最初に依頼する業務のポイントは
・大きな負荷無く(座ってテレビ見ながらとか)できる です。そして終わったら「うわー、ありがとう!」「助かったわー」と大袈裟なぐらい感謝してみせます。 いくら言ったって言葉はタダです。減りゃしませんから惜しむ事はありません。ついでに、翌日の豆ご飯でも「おいしいねー」をいつもの3倍ぐらい言っておきます。 この方法で「煮干の頭取り」「にんにくの薄皮剥き」「栗の皮剥き」と業務範囲を広げていきました。薄皮をむいたにんにくは醤油に漬け込んで、おいしいにんにく醤油を作ります。にんにくの醤油付けも同時に出来ますから、にんにく好きの旦那様にはおすすめです。 次に挑戦したのは揚げ物です。天ぷらなんかは一人で揚げてると油に負けて食欲がなくなるし、天つゆだの大根おろしだの付属品の手配もあるし、家族に「揚げたてを食べなさ〜い」なんて言いながら一生懸命揚げてると、揚げおわってこっちが座ってさあ食べようと思ったときにはもう冷えてしまってたりしてガックリしますよね。 なので、材料を切って揚げ衣を作った段階で「私は天つゆを用意するからこうやって揚げてちょうだい」と一任してみました。なに、家で作る天ぷらなんだから揚げ方がどうこうなんて細かいこたぁ気にしない。夫が揚げてる間に流しを片付け、揚がったところにあわせて付属品をセッティングし、揚げたてを食べる。 こういう調子で、今は子ども達に「お父さんのカレーはレストランのよりおいしい」と言われ、毎週一回私の残業デーには夫に夕食をすべてまかせられるまでになっています。 さて、もうひとつの重要事項、育児です。私は「子ども好きの子育てパパ」に育てられたので、男性が子育てをするのは当然だし、とても良いことだと思っています。夫の方はというと、特別子ども好きというわけではなく、嫌いということでもなく、まあ普通・・・という感じでした。 子育ての最初の関門は夜泣きでした。よく夜泣きする子で、私たちは2人とも睡眠不足になってしまいました。夫は職場でそれを愚痴ったらしく、先輩諸氏から「妻子と寝室を分ければいいんだよ」というありがたいアドバイスをもらって帰って来ました。 子育てで私が意識的にやったのは「とにかく赤ん坊を抱かせる」ことです。子育てなんて頭でやれるもんじゃありません。フニフニの新生児を抱っこしてあやすのに絶対のロジックなんてありえません。直接赤ん坊に触れて、抱いて、揺らして、体得していくものです。 2人で子育てをしていたので、夫がいる時間は「授乳後のゲップ」は夫の仕事。これがまた達成感のある仕事らしく、縦抱きして背中をさすってて、「ゲフ」って出ると「やったやった、やっと出た」と喜んでいました。 そこで気持ち良さそうに抱っこされている娘に、「お父さんの抱っこ気持ちイイねー」と声をかけるのもポイント。ホントは私の母乳で満腹して満足してるんでしょうけど。 入浴も夫の仕事。お風呂で娘がニコニコしてれば「お父さんとお風呂でうれしいんだね」と声かけ。そう、声かけは子育てのためではなく、実は父性育てのため、なんです。 ということで、オムツ替えから離乳食まで夫は子育てにはかなり関わってきました。今は娘達も高校生と中学生になりましたが、口下手な夫が「パパ嫌い」と言われることもなくまずまずの親子関係を築けているのもそのおかげかな、と思っています。 |
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