ゆえあって、しばらくの間、右手でキーボードが打てなくなりました。 (いまは打てます )
左手だけでキーを打つのが、とっても大変だったので、 左手をホームポジションから動かさずに、 日本語ローマ字入力ができるように工夫しました。 (この文書で説明する設定を、左手で入力するのがまず大変でした )
片手をキーボードの同じ位置においたまま、 日本語入力できるようにするためのアプリケーションまたは環境設定方法を調べました。
WindowsおよびUNIXについて調べたところ、 入力方法として大きく分けると以下の2種類がありました。
「あ行」「か行」などを指定するキーを押した後、 「あ段」「い段」を指定するキーを押すことで、かなを入力する方式です。
Windows用のいくつかのソフトを試してみました。 慣れればかなり高速に入力できそうでしたが、 難点は習熟に時間がかかりそうだということです。
UNIX環境でも、cannaの設定変更でこの方式を実現する方法(設定ファイル )をふたつほど見つけました。
左右対称の位置にあるキーは押しやすいという人間の性質を利用した方式です。 具体的にいうと、右手小指上段のPを押すところで、代わりに左手小指上段の Qを押すという方式です。
たとえば、両手でkaisya(会社)と入力すべきときに、左手だけで daestaと入力できるようなるのは、わりと簡単です。 (ブラインドタッチできるひとに限りますが )
Windowsの「左手鍵盤」(フリーソフト)というソフトは、 右手のキーを押す代わりに、 スペースを押しながら左手対称キーを押すという方式です。 このソフトを試してみたところ、 確かにキーボードを見ずにそれなりに入力できました。
また、Windows用シェアウェアにWKeyというのがあり、 右手キーの代わりに左手対称キーを素早く2度打つ方式だということでした。 (このソフトは試してません。関心があるかたは試してみてください )
いろいろ調べてみましたが、「これだ!」というソフトは見つかりません。
「左右対称キーを利用する方式」がそれなりに気に入ったのですが、 見つけたソフトは私には残念ながらなじめません。
前述したように、Unix環境で cannaの設定変更をしているアプローチがあったのでそれを参考に、 自分で左手ローマ字入力用配列を設定してみようという気になりました。
最初から決めた方針ではなく、 キー割り当てに迷ったあげく結果的に決まった方針です。
a,i,u,e,oのキーを見ると、iとeがぶつかってます(中指の上段)。 方針にしたがい、中指上段は、本来のeとしました。
では、iはどうしたかというと、ひとつ下にずらして中指中段としました。 (まぁ、いちばん打ちやすいキー位置のひとつですし )
そんなわけで、以下の配列になりました。
全角大文字は本来のキー、半角大文字は右手対称位置のキー、 小文字は無理矢理割り当てたキー、です。
q
w
Oe
Er
Ut
a
As
d
if
g
z
x
c
v
b
子音キーはたくさんぶつかってます。
そんなわけで、以下の配列になりました。
全角大文字は本来のキー、半角大文字は右手対称位置のキー、 小文字は無理矢理割り当てたキー、です。
q
Pw
We
br
Rt
Ta
s
Sd
Df
yg
Gz
Zx
hc
kv
Mb
N
ローマ字入力では、 子音キーを続けて打つことで「っ」を入力することになってます。
上述した母音と子音の配列だと、以下の問題があります。
rrについては、 ラ行の前に「っ」が来ることは滅多にないことから、「る」が入力されるように設定しました。
ddについては、「ぢ」を入力することが滅多になく、 またダ行の前に「っ」が来ることはよくありそうなので、「っ d」が入力されるように設定しました。
「ぁぃぅぇぉっ」や、「、。?()」などのよく使う記号も割り当てました。
記号は大半が右手キーなので、 fキーの後に左手下段の対称位置で入力できるようにしました。
また、「ぁぃぅぇぉっ」は「あいうえお」位置の近くに適当に割り当てました。
試行錯誤の結果、以下のような配列に落ち着きました。 かなり上手に入力できるようになったころに、 右手でキーが押せるように回復したため、習熟は止まってしまいましたが。
q
Pw
We
br
Rt
Ty
ーa
あs
Sd
Df
yg
Gh
fz
Zx
hc
kv
Mb
N
q
w
Oe
Er
Ut
a
As
d
if
youg
z
x
c
v
b
1
62
73
84
95
06
q
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1
2
(3
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5
6
q
w
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y
a
s
d
f
g
h
z
?x
。c
、v
ーb
/
Xmodmapの設定を変更して以下のようにしました。
そうそう具体的な設定方法は、 default.ctd (※)を自分にあわせて編集して、
mkromdic default.ctd
すると、default.cbpができるので、それをホームディレクトリにおくだけです。 詳しくは、cannaのマニュアルを参照してください。
(※) ~/.cannaに、(setq romkana-table "default.cbp") と書いてある場合