ピエゾニューマティックセンサースイッチというのがあります。 圧電素子と空圧センサーの2種類のセンサーを使えるスイッチなので、わずかな動きでもうまくひろってくれる優れものです。 ただ圧電素子のセンサー部分の耐久性が低いようで、意外と高頻度で交換を余儀なくされます(私の知っている方では1週間程度で交換になるようです)。 圧電素子センサーは別売りされていますが10個10,000円とそう安いものでもないのでもったいない。 なんとかもうちょっと長い期間使えるようにならないか。と知人から相談され、いろいろと調べてみました。
そもそも圧電って何でしょう?
この辺見て頂いたり、「圧電効果」とか「ピエゾ効果」とかで検索して頂けると詳しくわかると思いますが、 ようはセンサーに力を加えるとそれによる歪みに応じて電圧が発生するということのようです。
使えなくなったセンサーと使えるセンサーでは何かが違うはずです。何が違うのか調べてみました。
センサーに力を加えると電圧が発生するわけですからきっとこのスイッチは電圧変化によってスイッチのオン/オフをしているはず。と言うことで電圧を調べてみました。
下の図がセンサーに何も力を加えていないときの電圧です。図を見て頂けるとわかりますが、使えなくなったセンサーの方がノイズ(?)が多い(大きい?)ようです。
ちなみにノイズは49〜50Hz程度のもののようです。なんでこんなノイズがのるんでしょうね?
どういう回路で電圧変化をひろってスイッチを入れているのかわかりませんが、 ノイズの振幅が大きくなるとセンサーの感度を下げなければノイズでスイッチが入ってしまうことになります。 そのため不要なときにスイッチがオンにならないようにセンサーの感度を下げます。 そうすると本人がスイッチをオンしようと思って動かしても、スイッチがオンになるレベルまでセンサを歪ませ ることが出来ずに「使えない」センサーになってしまうのでは無いでしょうか。
なんでこんな風になるんだろうと思いセンサーのについてる半田ごてを持って線をはずしてみると、 センサーの白いところ(セラミック部分)がはがれてしまっているものがありました。 他のセンサーの線もはずしてみるとやはり似たような状態にあります。一番ひどいものは半田ごと取れてしまっていました(以下の写真)。
ということで、使えなくなったセンサーはセンサーの白いところがはがれてしまっていて、そのためにノイズが増えてしまったり、感度が落ちたりして使えなくなってしまうのでは無いかと思います。
知人はセンサーを親指の背にテープで貼っています。その際に指のカーブに合わせるように貼ります。 そのため借りてきた使えなくなったセンサーを見ると変形してしまっています (以下の写真ですがわかりにくくてすみません)。
センサー部に力がかかるわけですが、その時全体に均等に力がかかるわけではなく半田付けされているところは他の所よりも頑丈(?)になっていて変形しにくくなっています。そのために(特に)半田の端の部分に比較的大きな力がかかりその力ではがれてしまうのかもしれません。
というわけでセンサーを再生するにははがれていないところに線をつなぎ直してあげれば良いんじゃないかと考えてみました。
線をつなぎ直してもう一度電圧を測定してみたのが以下です。
ずいぶんノイズ(?)が減っているのがわかります。
線をつなぎ直した状態で知人の所に持って行って使ってみました。結果は「良好!」でした。
ただし一点だけ注意事項があります。
新たに半田付けをしたところが一番動くところ(ひずませられるところ)にあたるようにすることです
それ以外の所(特にはがれてしまっているところ)に動くところを当てても、センサー部が壊れてしまっているわけですから、 「使えないセンサー」になってしまいます。なので、半田付けするときに元々ついているハンダは取り除いてしまった方がわかりやすいと思います。
私の考察が正しければ、センサーを長持ちさせるためにはセンサーの白いところがはがれるような大きな力をかけなければ良いわけです。 しかし、センサーに力がかからない程度にテープで貼ると今度はセンサー部の固定が甘くなったりスイッチをオンさせようと動かすたびにセンサー位置が動いてしまい、そのたびにセンサーの感度を調整したり位置を元に戻したりしなくてはなりません。
白いところがはがれていることに気付くまではノイズが49〜50Hzあたりのものなんだからローパスフィルターかけてノイズをカットしてあげれば良いじゃん。と思っていたのですが、、、
実は今のところ良い方法は思いついていません。何か思いついたらまた書き加えたいと思います。
最後にお約束ですが、やるときは自己責任でお願いしますね。ここに書いてあることをやってみて何らかの問題が生じたとしても私としては一切責任は負えません。 そもそも私にはしっかりとした工学知識があるわけではありませんし、こういう事のプロでもありません。ここに書いてあることが本当に正しいという自信も全くありません。