次世代育成支援対策の充実にむけて

富永誠治

 男性と女性が、共に子育てと仕事の両立を、たやすく安心して、担い合えるような社会を一日でも早く実現したいと願ってきた。しかし、その社会の実現を阻んできたのが、子育てと仕事の両立を嫌悪する企業風土・企業文化の存在であり、社会のあらゆる領域に浸透する固定的性別役割分業意識である。このような企業風土や固定的性役割意識の是正はたやすい事ではないが、多様な施策の推進で少しずつ変えていかなければならない。いま、次世代育成支援策が議論されていることを踏まえ、特に留意すべき点について下記に記す。

  1. 「男性を含めた働き方の見直し」とは、労働時間の短縮であり、残業規制でもあることを明確に表現し、その事の実現のための施策にすべきである。
     
  2. 行動計画の策定において、一般事業主行動計画については労働者の代表参加を徹底させ、特定事業主行動計画については、住民の参加を徹底させ、より決めの細かい実効ある行動計画を策定させる。
     
  3. また、策定だけに終わらせないためにも、策定後の達成度評価を徹底させ、更なる改善策へと結びつかせる。
     
  4. 男性の育児休業取得促進をはかるため、パパクオータ制及び父親取得の際の優遇策を導入する。
     
  5. 育児のための短時間勤務制度の義務化を育児介護休業法改正に盛り込む。
     
  6. 子育てと仕事の両立が尊重されることを促す、あるいは、男性の育児家事参加を促す、キャンペーンを継続的に実施する。
以上