「メンズフェスティバル'98 in 東京」開催経緯
  1. 3回目の「男のフェスティバル」

     「メンズフェスティバル'98 in 東京」は、京都(第1回'96年)、大阪(第2回'97年)と開催されてきた「男のフェスティバル」の3回目のイベントです。昨年までは、大阪にあるメンズセンターが中心になって実行委員会を構成し、関西で開催されてきましたが、今回は首都圏ではじめての開催となります。この実行委員会には、メンズリブ東京、パスポート(足立区「男性改造講座」OB会)、育時連(男も女も育児時間を!連絡会)、男性セミナーOB会(中野区の男性向けセミナーのOB会)などのメンバーが集まり、昨年の6月から準備を行なってきました。

  2. 東京で開催する意味と目的

     「メンズフェスティバル'98 in 東京」を行なうにあたって、実行委員会では趣旨を次のようにまとめました。

    1. 男性問題や男性運動に関わる組織・団体・個人の親睦・交流・出会いの場を作る。
    2. 各種分科会等を通じて今後の活動の指針・ヒント・方向を探る(得る)。
    3. 男性問題や男性の運動についての社会的認知・理解を拡大・促進する。

     首都圏には、活動を開始した時期や扱うテーマの違うグループが数多くあります。しかし、そういったグループの活動の様子を相互に理解していない、知らないということも多分にありました。今回のフェスティバルを行なう中で、首都圏のグループのネットワーク作りができればと思っています。

     もちろんこのフェスティバルは、全国レベルで人が集まりますので、新たに活動し始めたグループも含め、各地のグループや個人との出会いも貴重な体験となるでしょう。

     また、足立区女性総合センターは、行政の男性問題講座としては先駆的な「男性改造講座」を8年前から開催してきたセンターであり、今回のフェスティバルを共催するにふさわしいパートナーでもあります。

  3. 男の問題の多様性

     過去2回のフェスティバルの議論も含め、すでに感覚・考え方の違いが出てきています。男性問題のとらえ方や運動の方向性についても、単一のあるべき方向、正しいあり方ではなく、自分たちがどうとらえ、何を求めているかという意見が様々に交換されるのではないかと思います。こういった混沌が生きている限り、「男のフェスティバル」の場としての意味は失われないでしょう。今回の成果が、すでに開催準備に入っている次回、'99年のフェスティバルにおいて、さらに活かしてもらえるようにしたいと思います。


(参考)
  1. 今回のメンズフェスティバルの特徴
     
    1. 東京で初めて開催される男性問題の全国会議(第1回京都、第2回大阪)である。
    2. 過去最多(27件)のワークショップの開催を予定している。
    3. 海外(韓国)を含む沖縄等多様な地域からの参加がある。
    4. 足立区女性大学連合会との分科会を協同企画する。
    5. 足立区女性総合センターとフェスティバルを共催する他、自治体関係者向け分科会を協同企画。
    6. 最先端の話題を取り上げる。
      妻(恋人)への暴力、NPO活動、男の育児休業等最近脚光を浴びるようになってきたテーマの分科会を開催する。
    7. 男性の育児をフェスティバル全体でとらえる。
      子育てから男性問題を考えるため、参加団体に保育ボランティアを呼びかけ、参加団体全員で「お父さんの保育室」の開設する。
    8. アートによる男性問題の提示 
      男の性意識をテーマにした絵画展を開催する。

  2. 昨年までの「男のフェスティバル」の状況
     
    • 第1回 男のフェスティバル
      (日程:1996年11月2・3日 会場:京都教育文化センター)

       この第1回の「男のフェスティバル」は、メンズセンターのネットワーク部会が「全国男性会議を開催したい」と提案したことから生まれたものだということです。

       「男性問題入門ワークショップ」「メディアのなかの男らしさ」「息子たちのコンシャスネス・レイジング」「男と仕事−男たちの自由人宣言」「男の子育て・ワークショップ」「からだのワークショップ」「男のコミュニケーション」「男たちの仲間づくり」「男たちの国際交流」「ゲイと『男らしさ』」と、特別セッションも含め10のワークショップが持たれ、160人を超える男女が集まりました。

    • 第2回 男のフェスティバル・イン・ドーンセンター
      (日程:1997年9月13・14日会場:ドーンセンター(大阪府女性総合センター))
      共催:(財)大阪府男女協働社会づくり財団

       会場が大きいこともあって、規模は前年の倍以上。25のワークショップが設定され、350人近くの参加がありました。

       ワークショップのテーマも、「メディアがとらえた男性問題」「ジェンダーくずし」「感情のワークショップ」「男のライフプランを考える」「『成年コミック』のなかの性幻想」「セクシュアリティの名付け方」「男性問題啓発プログラム」「不登校の子どもの親父からのメッセージ」「みんならくちん『シャベタルーム』」「珍珍トーク」「独身オトコが語る『恋愛』『結婚』」「性の商品化とメディア」「男性の働きを問い直す」「インターセックスチルドレン」「一緒に話そ!男性介護者への応援歌」「韓国の男性運動と男性学の現状」「父親問題を考える」「エヴァンゲリオンから読み解く『男性問題』」「中絶をめぐる男性の経験と心情について語り合う」「メンズリブ奈良・うら話」「女と男のいい関係」「ベッドの中の戦場」「男のコミュニケーショントレーニング」「男の更年期」「あなた、オカマ、嫌い?」などというように大きな広がりを持ってきました。


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