育時連メーリングリストのメンバーに、印象に残った本を選んでもらいました。
松田正樹さん
1)「こどもの権利を買わないで」
2000年1月1日発行 自由国民社
文 大久保真紀 絵 森野さかな 1600円
タイやフィリピンでの子ども買春について、大久保さんが実際に目撃した悲惨な状況を、日本の子どもたちに伝えたい一心で実話に基づいて書いた絵本です。
絵は「つよいのだれ?」などの絵本で知られる森野さかなさんが担当しました。プンとミーチャが励まし合いながら生きていこうとする姿を描いています。「一緒に学校へ行って、勉強っていうことをしてみたかったな・・・」というミーシャの言葉に、小学校教育なんて当たり前と思っていた私は大変ショックを受けました。
なお、2001年12月には、横浜市で「子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議」が開催されます。お時間のある方、ご関心のある方は、ぜひおこし下さい。
2)「条例の制定と運用」
2000年3月31日発行 公人社
杉野信一郎・小川浩蔵・小林正 共著 2800円
地方分権法が2000年4月に施行されたものの、その実態は地方自治体が独自の税条例すらなかなか制定できないのが現状。ましてや住民による条例作りなどは、夢のような話ではないでしょうか。
そこで、各自治体や住民が自分たちの街づくりの第一歩になる条例作りの参考になるようにまとめられたのが、この一冊です。鎌倉市まちづくり条例、茅ヶ崎市ラブホテル規制条例や小田原市緑と生き物を守り育てる条例など29本にわたる実例紹介があり、とても参考になります。
私は2000年12月に横浜市男女平等条例案を作成し、直接請求を試みましたが、その際の条文作りにとても役立ちました。
これからご自分の街づくりに積極的に参加したい方には、お手元に置いておいて損のない一冊です。
3)「沈黙から行動へ」
2000年10月10日発行 あごらMINI編集部
857円
ドメスティック・バイオレンス(DV)に取り組む市民グループなどの状況や、男女共同参画審議会の答申(2000年7月)についての考え方、あるいは諸外国におけるDV法の解説などが、コンパクトにまとめられています。秀逸。
DVについてこれから学習したい方、あるいはある程度の知識をもっている方のどちらにも、お薦めできる一冊です。
|