Last updated : 11/July/1996


「育児休業等に関する法律」の改正に向けて

元議員三井マリコ氏と上記2団体のシンポでの決議文です。 これは労働省婦人局へ送付され、7/5に面談しました。 詳細の報告は『いくじれんニュース』などでどうぞ。
決議文
「育児休業等に関する法律」(※1)の改正に向けて

1996年6月29日
男も女も育児時間を!連絡会(※2)
大田ワーキングウーマンネットワーク(※3)

「育児休業等に関する法律」が1992年から施行された。本法律は、労働者 の雇用の継続を促進し、労働者の福祉増進を目的とする。しかしながら、実際 は事業主の「良識」に待つという側面の強い法律である。なぜなら、休業中の 労働者の生活保障措置、不利益扱い等の禁止、原則原職復帰、小学校就学まで の時短措置など安心して休業するための実行措置が殆どとられていないからで ある。これらの問題点は、国会における審議が不十分なまま、「必要があると 認める時は、総合的に検討を加え、必要な措置を講ずる」旨が附則に加えられ たにすぎない。

労働省『働く女性の実情』によると、育児時間をとった人は、女性21%に対 し男性は0.2%。育児休業は男性0.02%と極めて少ない。現に我々2団 体にも、育児休業がとり難い、就学までの労働時間短縮がないと育児と仕事の 両立ができない、といった悩みが数多く寄せられている。こうした現状から私 たちは、早急に現行法改正の必要を痛感している。

昨年政府が批准したILO156号条約は、家族的責任を有する労働者が、で きる限り職業上の責任と家族的責任とが抵触することなく、職業に従事するこ とができるようにとうたっている。また、子どもの権利条約でも、「父母の第 一義的養育責任と締約国の援助措置」のなかで、親が養育責任を果たせるよう、 国が条件を整えるべきことを定めている。さらに、政府が採択した北京の国連 世界女性会議の「行動綱領」においても、「女性及び男性のための職業及び家 族的責任の両立を促進すること」が明記され、政府にたいして適切な施策をと ることをもとめている(180条)。

以上に鑑み、次の3点の改正について国に要望することを決議する。

[改正要求内容]

1.育児休業は働く者の権利であることを明記すること。

2.家庭における男女平等を推進するため、育児休業の男性取得の強制割当制 (クォータ制)を導入すること。

3.事業主が違反した場合の制裁、全日型と時間短縮型休業の組み合わせ取得、 原職復帰など実効性を担保する措置を導入すること。


※1.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」
※2.労働と家事・育児の相互乗り入れにより、男女の対等関係をめざす市民団体
※3.女性の労働問題についての情報交換、意識の向上などを目的に活動する女性ネット
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